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[イベントリポート] 家蔵-iekura-の屋根のした 02

2019.11/9,10の2日間、新潟・燕市の「家蔵-iekura-」で開催されたイベントのリポートです。
このリポートは「屋根のした」のディレクター・小林(BRIDGE)が綴っていきます。

イベント「屋根のした」で提供したいワークショップは
時間がかかるけど、満足感の高いもの。

単純で簡単にパッとできるもの、ではなくて
一日費やしてでも、ちょっとお金をかけてでも
つくりたい!と思えるものを。

完成したとき、「あ〜幸せ〜」と思えて
家に帰ってから、「あ〜素敵〜」と思えて
1年後には、「あの時に作ったな〜」と思いだせて
そして絶対に捨てたりしないもの。

今となっては「ワークショップ」という言葉は溢れていて
その定義はおそらく幅広いのでしょうけど
「実際にやってみることで何かを知る」ということだとすれば、
とにかく“つくりを知る”
ということに尽きるのではないか、と思うのです。

今回は、鎚起銅器・木工・布絵・刺繍といった
手工芸を仕事にしている作家さんと一緒に
つくる時間を楽しんでいただきました。

“つくりを知る”と
何かあっても自分で対応できる自信がつきます。
“つくりを知る”と
大切に長く使うことの方法を考えることができます。

家づくりにおいても
「構造見学会」という機会があったりしますが
それも“つくりを知る”という経験で、
より物事は自分に近くなって、柱一本も家族のような存在になってくる。

興味があることや人の
表立って見えないことへ

近づいて見たり感じたりしていると
ただの興味はなくてはならないものになってくる。

それはとても豊かなことだと思うのです。

そういう感覚を持てるようになると
ものの良し悪しを見分ける感覚が身についてきます。

ここでのワークショップは
毎日そういった感覚の中でものづくりをしている作家さんから
“つくり”を教えてもらえる時間を過ごしてもらい
それぞれの「屋根のした」で紡がれる暮らしの“知恵”としてもらえたらと思っています。

それでは、駆け足ですが、ひとつひとつをご紹介いたします。

刺繍のサシェづくり

刺繍作家・近藤実可子さんが用意してくれたのは「刺繍のサシェ」。
実可子さんが描いた花の図案に好きな色で刺繍をしていきます。
この配色が意外と難しい。糸の色がどれもこれも綺麗だから、配色だけで迷ってしまう。
でもそんな迷う時間も楽しそうでした。

刺繍をした小さな袋に入れてくれたのは、佐渡産のラベンダー。
採取した時期のせいか、とても美しい薄青紫色のラベンダーでした。
袋に入れてしまうと見えなくなってしまいますが、枕元において良い香りとともに安眠できるといいですね。

カレースプーンづくり

美味しいカレーを食べるためのスプーン。
美味しいカレーを乗せてあげたくなるようなスプーン。
自分の相棒に思えるようなスプーン。
仲良くなれるスプーン。


自分がどうしたいか、だけではなく、
スプーンに何がしてあげたいか
スプーンに何をしてあげたらスプーンは喜ぶか
を考えながら
そんなスプーンを自分の手で作る。

ということを実現するために用意してくれたのは、
木工作家の渡邊武史/tree coatさん。

小さな子供でも飽きずにできるように
木の削り心地がわかるように
道具の準備や素材を選んでくれました。

ちゃんとすくえるかどうか、
自分で作ったものの機能はすぐ確かめたい。

大丈夫。
紙がすくえるなら、カレーはすくえる。
家に帰って美味しいカレーをすくいましょう。

鎚起銅器の銅鍋づくり

一枚の銅板を叩いて叩いて叩いていくと「器になる」
という伝統工芸・鎚起銅器を体験してもらいました。

叩くと伸びる
というイメージがありますが
叩くと縮む
というのが不思議です。

教えてくれるのは
鎚起銅器職人・大橋保隆さん。

ひたすら叩くわけです。
一心不乱に、修行のように。

でもこれが結構心地よい。
しばらく叩いていくと、
銅板の柔らかさみたいなものを感じる瞬間があります。
生きている素材なんだなぁと。

鍋になるまで約5時間ちょっと。
作ったその日から使える銅鍋。
夕ご飯のメニューを考えるのが楽しいのです。

熱伝導率が良い銅だからこそ
熱いものも、冷たいものも
楽しめる幅がたくさん。

布絵パネルづくり

教えてくれたのは、布絵作家のヤマヤアキコさん。

ヤマヤさんが教えてくれる時間のとてもいいところは
素材の美しさに出会えること。

手触りの良い布、嬉しくなるような糸。
質感が良いものは感性を刺激して
心を育ててくれます。

そして、いいなぁと思ったのが、
みなさんが嬉しそうに出来上がった作品を見せてくれること。

家の中に、
ふっと立ち止まれる場所
ふわっと嬉しい気持ちがこみ上げる場所
誰かにいいねといってもらえるものを飾る場所

そんな小さなオアシスを。

 

モノがあるから、場所ができて、空間を大切に思える。
暮らしの中に
ひとつひとつ思いのあるものを。

次回のリポートは、暮らしを祝う-ShiruShi-キオクヲツクルproduct についてお伝えします。

(リポート03へつづく)

 

 

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